透湿ルーフィングとは

現在の住宅は、より高断熱・高気密を目指した家作りがされ、部屋の中から排出される水分を含んだ暖かな空気は屋根裏に集中し易く、結露の原因となります。

湿気が停滞してしまう屋根

外壁では既に外壁材の内側に通気層が設けられ、透湿防水シートで構造材・断熱材が囲われ、家の内側から出てくる湿気た暖かな空気を外に出し、構造材・断熱材の所で結露が起きないように一般的に設計されています。

透湿ルーフィングは住宅の上部に出てくる湿気を含んだ暖かな空気を速やかに排出し野地材などを長持ちさせます。

一般的に木材は水分を20%以上含みますと腐りの原因になる腐朽菌の活動が活発となると言われています。
そのため木材はできるだけ乾燥状態にしておくことが木造住宅を長持ちさせるための必要条件となります。

透湿ルーフィングの特徴

  • 通気性があり且つ防水性に優れた屋根下葺き材です。
  • 野地板が濡れても速やかに乾くため屋根の寿命を延ばします。
  • 湿気を含んだ空気を排出するため小屋裏結露を抑えます。
  • 通気性があるため有害な化学物質を外に排出します。
  • 透湿ルーフィングは主にプラスチック系の材料でできているため、
    軽量で施工性に優れています。
  • 廃棄も一般ゴミとして処理が可能です。

透湿ルーフィングで湿気を逃す

もし、結露が発生し、野地板が水分を含んだとしても、それを屋外に排出できれば、野地板を乾燥状態に保つことが可能です。
つまり、下葺き材(ルーフィング)に透湿性があれば、湿気は野地板に留まらず、屋根材のすき間を通って屋外に抜け、問題は解決されます。
反対に透湿性のない(透湿抵抗の高い)材量が使われていると、野地板の湿気が抜けにくくなり、それが腐朽の原因となります。
そこで、威力を発揮するのが透湿ルーフィングです。
透湿ルーフィングはその名のとおり優れた透湿性をもつ下葺き材です。
防水性のみを発揮する透湿性のない防水材に対して、透湿ルーフィングは防水性と透湿性の両方を兼ね備えています。

水蒸気だけを通す特殊なシートが使用されており、たとえば、アスファルトルーフィングと比べて200 倍以上の透湿性を発揮します。小屋裏には想像以上に湿気がこもりやすく、軒裏換気だけでは万全とはいえません。

特に野地板とルーフィングの間に溜まった水はぬけにくくなります。
透湿ルーフィングを使用すれば、湿気を効果的に屋外に排出し、野地板の乾燥状態を保って、腐朽を抑えることが可能です。
住宅を長期にわたって使うことが求められている今、透湿ルーフィングで屋根の寿命を延ばすことが大切です。

湿気は通しても雨水は通さない

透湿ルーフィングについて、「透湿性があるということは水も通しやすいのでは…」という疑問の声があります。
結論から言いますと、透湿ルーフィングの防水性は全く問題ありません。
液体の水と気体の水蒸気は同じ分子で成り立っていますが、水蒸気は分子が離れたままなのに対し、水は水分子が結合した集合体(クラスター)となっています。
透湿ルーフィングはこの大きな集合体の水を通さずに、微細な水蒸気のみを通過させるという仕組みなのです。