透湿ルーフィングとは?
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透湿ルーフィングはどの程度普及しているのか? 日本だけで使われているのですか?
国内ではまだ数%ですが、欧州(ドイツ)では瓦系で90-95%、スレート系で50-70%、金属系(薄物)で50-70%、金属系(厚物)で90-95%が透湿ルーフィングで今後、国内でも透湿ルーフィングの普及が進むと考えます。
ドイツでは1987年に開発され1996年ごろから普及し現在では、ほとんどの現場で使われています。
透湿ルーフィングが出現するまでは、日本と同じアスファルトルーフィングが主流でした。
しかし、屋根断熱が一般的だった為、結露の被害が広がり、透湿ルーフィングが開発されております。
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透湿ルーフィングのメリットは?
小屋裏の結露を抑え、野地板の結露による腐食などの危険性を低減します。
アスファルト系ルーフィングとの違いに関して
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アスファルトルーフィングと同じ施工方法で良いでしょうか?
基本的にはアスファルトルーフィングの施工方法と同じですが、透湿ルーフィング特有の注意事項がありますので、
各透湿ルーフィングメーカーの施工要領書をご確認下さい。
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長期の耐久性は?
耐久劣化試験後、硬化、割れなどはありません。
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重量、厚みは?
重量はアスファルトルーフィング940の約5分の1で厚みは約半分で施工性に優れています。
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アスファルトルーフィングと同じ性能ですか? (防水性、釘穴止水性等)
アスファルトルーフィング940(JIS A6005)と同等以上の防水性、釘穴止水性、さらに透湿性があります。
施工に関して
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屋根材を張る前に雨水が入ってきたが大丈夫ですか?
万が一、雨水が入っても、透湿性があるため乾燥します。
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壁に使用できますか?
壁に使用される透湿・防水シートのJISには適合していません。
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太陽光パネルの設置はできますか?
できます。
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ワイヤネイルは使用できますか?
切れたワイヤがシートを破くため、使用はさけてください。
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屋根葺き材の制限は?
特に制限はありませんが、ルーフィングと屋根葺き材の間に空間(空気層)がある方が屋根全体の透湿効果が向上します。
その他
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素材はなにでできていますか?
各メーカーにより素材はちがいますが、ポリエチレン、ポリエステル等のフィルムや不織布を使用しています。
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透湿性は一方通行でしょうか?
透湿性は一方通行ではありません。
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耐火・不燃の認定品でしょうか?
認定品ではありません。
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透湿ルーフィングにはJIS規格はありますか?
透湿ルーフィングにはJIS規格がございます。
2016年透湿防水シートのJIS規格JIS A6111が改正され、屋根用透湿防水シート(透湿ルーフィング)が新たに加わりました。
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家の長寿命化に役立つとはどういうことですか?
透湿ルーフィングは透湿性が高いため、小屋裏の結露を抑えます。そして野地板の水分を放出させ腐食を防ぐこともできます。その為長寿命化につながるといえます。
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透湿ルーフィングは瑕疵保険に対応しているのですか?
はい、対応しています。
瑕疵保険会社が出している設計施工基準※のなかで「屋根用透湿防水シート(JIS A6111:2016)は屋根葺き材と透湿ルーフィング間で湿気排出が可能となる納まりとすることにより、同等以上の防水性能を有するものとして取扱います。
施工方法は製造者の仕様等に従ってください。」という解説があります。
※まもりすまい設計施工基準同解説 P35・36
設計施工基準第7条 (屋根の防水)(3)下ぶき材の品質及びふき方【第7条2項】