結露実験結果
土屋喬雄(東洋大学工学部建築学科教授)
1.試験体
低密度EPS(50mm)を用いた充填断熱屋根を対象とし、有孔合板と無孔合板および
透湿ルーフィングとアスファルトルーフィングとを組み合わせた4つの試験体
試験体Tn・孔なし合板に透湿ルーフィングを施工
試験体Tp・直径10mmの孔を50mm間隔で明けた合板に透湿ルーフィングを施工
試験体Ap・直径10mmの孔を50mm間隔で明けた合板にアスファルトルーフィングを施工
試験体An・孔なし合板にアスファルトルーフィングを施工
2.屋根断面図
3-a.実験結果 『相対湿度』
※試験条件
外気温度;3つのstepに分けて設定
外気湿度;60%一定
室内温湿度;20℃、60%一定
3-b.実験結果 『空気層相対湿度』
※試験条件
外気温度;3つのstepに分けて設定
外気湿度;60%一定
室内温湿度;20℃、60%一定
4.実験終了後の野地裏の状態
5.まとめ
(1)野地室内側(空気層)透湿ルーフィングでは相対湿度は高目ながらも結露には至っていないのに対し、アスファルトルーフィングでは、早い時期から結露が継続している。
(2)野地裏
透湿ルーフィングではきわめて良好な乾燥状態が継続しているのに対し、アスファルトルーフィングでは、激しい結露が発生している。
(3)有孔合板
今回試作した有孔合板では透湿性が十分でなく、室内からの湿気を排出しきっていない。
(4)和瓦
和瓦の透湿係数は約1.5 g/m2hmmHgと見積もられるが、さらに大きくすることが望ましい。